【初心者向け犬の飼い方ガイド】犬との暮らしを始めるために必要な準備と心構えを解説

【初心者向け犬の飼い方ガイド】犬との暮らしを始めるために必要な準備と心構えを解説

犬との生活は喜びが多いものですが、初めは不安を感じる人も多くいます。特に小型犬は体が小さく繊細なため、正しい知識を身に付けることが大切です。この記事では、犬を飼う前の準備や健康管理などの基本的な飼い方のポイントを詳しく解説します。記事を読めば、初心者でも安心して愛犬と生活できます。

犬を飼う前には、自分のライフスタイルに合った犬種を理解することが必要です。適切な飼育環境を整え、健康的で幸せな愛犬との生活を目指しましょう。

犬を飼う前に確認すべきポイント

犬を飼う前に確認すべきポイントは、以下のとおりです。

  • 犬を飼う条件と責任
  • 自分に合った犬種の選び方
  • 犬の飼育にかかる費用の目安

犬を飼う条件と責任

犬を飼うことは大きな喜びをもたらす一方で、重い責任も伴います。15年前後の長期間にわたって、犬の命を守る覚悟が必要です。犬の健康維持のためには、毎日の食事や散歩、清掃などの日常的なケアが欠かせません。定期的な健康診断や予防接種も、飼い主の責任です。

犬が快適に過ごせる十分な住環境も必要です。災害時のペット同行避難の準備や、飼い主が病気になった場合のバックアップも考えておく必要があります。

自分に合った犬種の選び方

犬種によって性格や必要なケアが大きく異なるため、1日の在宅時間や散歩に使える時間を考慮して選びましょう。家の広さや周辺環境、家族構成も犬種選びに影響を与えます。代表的な犬種の特性は、以下のとおりです。

犬種特性
チワワ忠誠心が強く警戒心が強い
トイプードル社交的で人なつっこい
マルチーズ活発で愛情表現が豊かである
シーズー比較的落ち着いた性格である
長毛種定期的なグルーミングが必要となる
短頭種(パグ、フレンチブルドッグなど)呼吸器系の問題を抱えやすい
ダックスフンド背骨の問題が生じやすい

抜け毛の多い犬種を選ぶ場合は、掃除の手間やアレルギーのリスクも考慮しましょう。ブリーダーやペットショップなどで実際に犬と触れ合う機会を作り、慎重に検討することが大切です。
» 小型犬の種類や特徴、性格を解説
» トイプードルの性格の特徴や飼い方を徹底解説

犬の飼育にかかる費用の目安

小型犬の場合、生涯で100〜150万円程度の費用がかかります。初期費用と定期的にかかる費用は、以下のとおりです。

内訳費用
犬の購入費用(小型犬の場合)10万円程度
ケージ1万円程度
食器2,000円程度
首輪・リード3,000円程度
ドッグフード月3,000〜5,000円
おやつ月2,000〜3,000円
トイレシーツ月2,000〜3,000円
ペット保険月1,000〜3,000円
予防接種年間1万円
フィラリア予防年間1万円
ノミ・ダニ予防年間1万円
定期健康診断(年に1~2回)1回当たり5,000〜1万円
トリミング代(2か月に1回)1回当たり5,000〜1万円

予期せぬ病気やケガの治療費として、数万〜数十万円の出費が生じる可能性もあります。突発的な出費に備えて、ペット保険への加入を検討しましょう。

犬を飼うために必要な準備

犬を飼うために必要な準備は、以下のとおりです。

  • 必要なアイテム一覧
  • 室内環境の整え方

必要なアイテム一覧

愛犬との生活をスムーズに始めるために必要なアイテムは、以下のとおりです。

  • フードボウル、水飲み用ボウル
  • ドッグフード
  • トイレ用品
  • ケージ、クレート
  • ベッド、クッション
  • 犬用のシャンプー・リンス、タオル、歯ブラシ
  • 消臭スプレー、ウェットティッシュ
  • リード、首輪、ハーネス
  • キャリーバッグ

一度にすべての犬用アイテムをそろえる必要はありません。愛犬を迎える前に基本的なアイテムを用意し、必要に応じて増やしていくのがおすすめです。

室内環境の整え方

適切な室内環境作りは、愛犬の健康に直結します。最優先すべきなのは、安全性です。特に小型犬は好奇心旺盛で思わぬものを口にしたり、狭い場所に入り込んだりする危険があります。犬が電気コードやコンセント、誤飲の危険があるものに触れないよう、配置に注意してください。

犬は、狭いスペースに入り込んだり高い家具から転落したりする可能性があります。犬の関節への負担やけがを防ぐために、滑りにくいフローリングやカーペットを選びましょう。犬の脱走防止のためのゲートや柵を設置すると、玄関や階段などの危険な場所への立ち入りを制限できます。

犬が快適に過ごすためには、20〜25℃程度の室温が理想的です。愛犬専用のスペースも用意してあげましょう。クレートやベッドなど「自分の場所」と認識できる空間があると、犬が安心して過ごせます。犬専用スペースは、トイレから離れた場所に設置するのがおすすめです。

室内環境を整えた後は、定期的に掃除することも大切です。清潔な環境は、愛犬の健康維持だけでなく、飼い主の生活の質の向上にもつながります。

犬の飼い方【食事編】

犬の飼い方として、以下の食事面での注意点を解説します。

  • 食事の与え方
  • 与えてはいけない食べ物

» 犬の食事の基本と注意点を解説!

食事の与え方

適切な食事量と回数を守ることは、愛犬の健康管理の基本です。小型犬の食事量は体重1kg当たり約30〜40gが目安です。食事の量は、犬の活動量や年齢に合わせて調整してください。食事回数は、朝と夕方の2回に分けて与えるのが理想的です。子犬の場合は、成長に必要な栄養を確保するため、3〜4回に分けて与えます。

食事の時間と場所を一定に保つと、犬の生活リズムを整えられます。食事内容を変更する場合は、1週間かけて徐々に切り替えましょう。消化器官への負担を軽減できます。食べ残しは放置せず、食器を清潔に保つことも大切です。犬におやつを与える場合は、全摂取カロリーの10%以内に抑えてください。

与えてはいけない食べ物

犬の命に関わる食べ物は、絶対に与えてはいけません。チョコレートは、テオブロミンが中毒を引き起こす可能性があります。玉ねぎやニラ、にんにくは、犬の赤血球を破壊する成分を含み、貧血の原因となります。腎不全を引き起こすぶどうやレーズン、低血糖を引き起こすキシリトール入りの食品にも注意が必要です。

アボカドには、毒素「ペルシン」が含まれます。カフェインを含む食品は、犬の神経系に悪影響を与えるリスクがあります。肝臓や神経系にダメージを与えるアルコールも与えてはいけません。マカダミアナッツも、神経系や筋肉に影響を及ぼす食品の一つです。生肉や生卵は、食中毒が起きる恐れがあります。

高脂肪食品や塩分の多い食品は膵炎や塩分中毒の原因となり、人工甘味料は消化不良や下痢を引き起こします。鶏の骨も、犬に与えないようにしてください。鶏の骨が割れて、犬の消化管を傷つける恐れがあります。万が一、愛犬が危険な食品を食べてしまった場合は、すぐに獣医師に相談してください。

早期の対応が愛犬の命を救います。

犬の飼い方【運動編】

運動面での犬の飼い方として、以下を解説します。

  • 散歩や運動の重要性
  • 散歩の頻度と時間の目安

散歩や運動の重要性

適切な運動は、犬の肥満を防ぎ、健康を保つために欠かせません。運動には筋肉や関節の強化、消化促進などの効果があります。運動不足は、家具を噛んだり吠えが止まらなかったりするなど、問題行動の原因になります。適切な運動量を確保すれば、エネルギー発散とストレス解消が可能です。

散歩の頻度と時間の目安

小型犬の散歩の目安は、1日2~3回です。1回あたりの時間は、15~30分程度を目安にしましょう。子犬や高齢犬は、10~15分の短い散歩を複数回に分けるのがおすすめです。成犬は、15~30分の散歩を1日2~3回行いましょう。暑い日や寒い日は散歩時間を短くし、雨の日は室内遊びで代用が可能です。

散歩は、時間だけでなく質も意識してください。犬にとって散歩は単なる運動ではなく、外の匂いを嗅いで情報収集する大切な時間です。急かさずに、十分に嗅ぎ回る時間を確保してあげましょう。

犬の飼い方【しつけ編】

しつけ面で重要なポイントについて、以下の内容を解説します。

  • 基本的なしつけの方法
  • トイレトレーニングの進め方
  • 吠え癖や噛み癖を直す方法

基本的なしつけの方法

犬のしつけは、飼い始めの段階から一貫した方法で行いましょう。犬は飼い主に喜ばれることを繰り返す傾向があるため、良い行動をしたら即座に褒めてください。犬の集中力に合わせてトレーニングの長さを調整することも大切です。体罰は絶対に避けてください。

叩いたり怒鳴ったりしても、犬は恐怖を感じるだけで何が悪かったのかを理解できません。悪い行動をしたときは、無視するのが効果的です。散歩中に他の犬や人と触れ合う機会を積極的に作り、犬の社会化を促しましょう。

トイレトレーニングの進め方

犬のトイレトレーニングを成功させるには、正しい方法と根気強さが必要です。犬の排泄パターンを理解し、適切なタイミングでトイレに誘導しましょう。犬は以下の時間に排泄をする傾向があります。

  • 食後
  • 起床後
  • 遊んだ後
  • 睡眠前

犬が排泄をしたそうなサインを見せたら、すぐにトイレに連れて行ってください。トイレで排泄できたら、すぐに褒めて小さなおやつを与えます。犬は褒められることで、正しい行動を覚えます。失敗した場合は、叱らずに静かに掃除しましょう。叱ると犬が怯えてしまい、かえってトレーニングが難しくなります。

犬は同じ場所で排泄する習性があるため、失敗した場所の匂いはしっかり消してください。サークル内にトイレスペースを設け、生活スペースとトイレの区別を教えるのも効果的です。

吠え癖や噛み癖を直す方法

犬の吠え癖や噛み癖などの問題行動の主な原因は、不安や恐怖、退屈などです。犬の縄張り意識や過度のストレス、攻撃性の現れである可能性もあります。犬が吠えても過剰に反応してはいけません。犬が静かになった瞬間を見逃さずに褒めると、効果的です。噛み癖には、噛むおもちゃを与えましょう。

人を噛んだら遊びを即座に中断し、短時間だけ無視してください。犬が噛みそうになったら「おいで」や「お座り」などの行動を促し、できたら褒めて気をそらす方法も有効です。犬が過度のストレスを抱えていないか、生活環境の見直しも欠かせません。犬の恐怖心や攻撃性が強い場合には、専門家に相談しましょう。
» 犬の噛み癖の主な原因や噛み癖を直す方法を紹介!

犬の飼い方【健康管理編】

健康管理の面で重要な以下のポイントを解説します。

  • 必要な予防接種の種類
  • 日常的な健康チェックのポイント
  • 信頼できる動物病院の探し方

必要な予防接種の種類

予防接種は、犬をさまざまな感染症から守るうえで重要です。基本的なワクチンの種類は、以下のとおりです。

  • 混合ワクチン
  • 狂犬病ワクチン
  • ボルデテラワクチン
  • コロナウイルスワクチン
  • ノミ・マダニ予防薬
  • フィラリア予防薬

混合ワクチンを接種すると、ジステンパーやパルボウイルス、パラインフルエンザなどの複数の感染症を一度に予防できます。フィラリア予防薬は、蚊が媒介する危険な寄生虫から守る目的があり、月1回の投与が必要です。

狂犬病ワクチン以外のワクチンには法的義務はありませんが、愛犬の健康を守るために接種は大切です。適切な接種スケジュールは、獣医師と相談しながら決めましょう。

日常的な健康チェックのポイント

犬の健康を守るには、日常的な観察が大切です。犬の体重や食欲、被毛の艶や抜け毛の量、目の充血や涙やけの状態などをこまめにチェックしましょう。犬の耳の汚れや異臭の有無、歯や歯茎の状態も重要です。犬の皮膚に発疹やかゆみがないか、呼吸や排泄物の状態も確認してください。

日々の観察の中で少しでも気になることがあれば、獣医師に相談しましょう。

信頼できる動物病院の探し方

犬の健康トラブルを早期に発見し、適切に対処するためには、適切な医療を提供してくれる病院を選ぶことが大切です。動物病院を選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。

  • 24時間対応や救急対応の有無
  • 獣医師の専門性や資格
  • 初診時の対応
  • 設備の充実度や清潔さ
  • 料金体系
  • 口コミやレビュー
  • スタッフの対応や動物への接し方
  • 自宅からのアクセスの良さ
  • 予防医療への姿勢
  • 診療方針や治療の説明の丁寧さ

信頼できる動物病院と良好な関係を築くことで、安心して愛犬の健康管理が行えます。かかりつけ医は時間をかけて慎重に選びましょう。

犬を飼う際の注意点

犬を飼う際の注意点として、以下について解説します。

  • 犬を飼う際の法律を守る
  • 社会的マナーを守る

犬を飼う際の法律を守る

法律やルールを守ることは、愛犬と地域社会の安全を守るために欠かせません。犬に関する主な法律やルールは、以下のとおりです。

  • 狂犬病予防法
  • 動物愛護管理法
  • 各自治体の条例

狂犬病の予防接種は、毎年1回の接種が義務付けられています。接種後は注射済票が交付されるため、首輪などに付けておきましょう。

社会的マナーを守る

犬を飼ううえで社会的マナーを守ることは、飼い主としての基本的な責任です。外出時は、必ずリードを使用して散歩してください。専用袋を常に携帯し、散歩中に愛犬がフンをした場合は、必ず持ち帰りましょう。公共施設を利用する際は、ペット同伴可であるかを確認してください。集合住宅では、騒音に注意が必要です。

早朝や夜間は、他の住民が静かに過ごせるように鳴き声に配慮しましょう。共用部分や他人の敷地に排泄させないよう注意することも重要です。犬を飼い始めたら近隣住民に伝え、問題があれば遠慮なく言ってもらえる関係を築いてください。

まとめ

犬を飼い始める前には、飼育条件を整え、適切な犬種を選ぶことが大切です。犬の健康を守るためには、適切な食事管理や定期的な散歩、運動が欠かせません。犬の基本的なしつけとトイレトレーニングは、早い段階から始めましょう。飼い主として、法的責任とマナーを守ることも重要です。

犬との生活を始める場合、長期的に飼い主としての責任を担います。正しい知識と愛情を持って愛犬と向き合い、幸せな時間を過ごしましょう。