
チワワは、小型犬の中で人気の犬種です。チワワを飼いたいと思っていても、さまざまな種類があり、どれを選べば良いのか悩む人も多くいます。特徴を知らずに飼うと、想像していた飼育の手間や性格にギャップを感じる場合があるため、注意が必要です。
この記事では、チワワの種類について被毛や体型、毛色別に解説します。記事を読めば、チワワの種類への理解が深まり、安心して飼う準備ができます。自分に合ったチワワを選び、愛犬との楽しい生活を始めましょう。
【被毛別】チワワの種類

チワワの被毛には、以下の2種類があります。
- ロングコートチワワ
- スムースコートチワワ
ロングコートチワワ
ロングコートチワワは、長い被毛が特徴です。上品で華やかな見た目から、多くの愛好家に人気があります。被毛は5cm以上あり、耳や首回り、尻尾に長い毛が生えます。寒さには比較的強いですが暑さには弱いため、夏場の体調管理に注意が必要です。
被毛が絡まりやすいため、グルーミング(※)も欠かせません。毎日のブラッシングと定期的なトリミングをしてください。耳や目の周りの清潔に保つことも大切です。
性格は穏やかで人懐っこく、家族との触れ合いを好みます。アレルギーを起こしにくい犬種のため、アレルギー体質の人にも向いています。運動量は少なめで、室内飼いに最適です。平均寿命は12~20年と長いため、長期間家族と過ごせます。
※ グルーミングとは、ブラッシングやシャンプー、爪切りなど、犬の清潔を保つために必要な健康管理に関するお手入れのことです。
スムースコートチワワ
スムースコートチワワは、短く滑らかな被毛が特徴です。ツヤのある被毛はお手入れがしやすく、ブラッシングの頻度が少なくて済みます。短毛のため、寒さに弱く体調管理が苦手です。寒い季節は、防寒対策が欠かせません。皮膚もデリケートなため、乾燥や皮膚トラブルにも注意が必要です。
スムースコートチワワは、活発で運動量が多く、体臭や抜け毛が少ない特徴もあります。アレルギー反応が出にくい点も魅力です。被毛の色や模様のバリエーションが豊富で、好みに合わせて選べます。ロングコートチワワと比べてスポーティーな印象が強いため、活発な雰囲気を好む人に向いています。
【体型別】チワワの種類

チワワの体型の種類は、以下の3つです。
- ドワーフタイプ
- スクエアタイプ
- ハイオンタイプ
ドワーフタイプ
ドワーフタイプは、足が短く胴体が長い体型が特徴です。体重は1.5~3.0kg程度あり、最も体重が重たいタイプと言えます。頭が大きく、リンゴ型の頭蓋骨を持つのも特徴の一つです。目が大きく突出していて、耳が大きく立ち耳です。尻尾は長めで、背中側に巻き上がります。
愛らしい見た目から人気が高い種類です。運動量が少ないため、室内飼いに向いています。骨折や関節の問題、歯のトラブルが起こりやすい点に注意が必要です。
スクエアタイプ

スクエアタイプは、最も一般的な体型です。四角形に近いバランスの良い体格をしています。スクエアタイプの特徴は、以下のとおりです。
- 体長と体高がほぼ同じ
- 胸幅が広く、足が長め
- 筋肉質で引き締まった体つき
- 頭部は丸みのあるリンゴ型
スクエアタイプは活発で運動量が多く、俊敏な動きが得意です。遊びや運動を楽しむ傾向があり、ドッグショーでも人気があります。
ハイオンタイプ
ハイオンタイプは、上品で洗練された外見です。体高が高く、足が長い特徴があります。胸が張っていて首が長く、体型は細身で体重が他のタイプより軽い傾向です。ハイオンタイプは活発で運動量が多いため、十分な運動時間が必要です。ハイオンタイプのチワワを飼う際は、運動時間をしっかり確保しましょう。
【毛色別】チワワの種類

チワワの毛色には、以下の5種類があります。
- 単色(ソリッドカラー)
- タン(模様の入ったもの)
- パーティーカラー
- トライカラー
- レアカラー(ブリンドル・イザベラ・マール)
単色(ソリッドカラー)
単色(ソリッドカラー)のチワワは、全身が1色で統一された美しい毛色が特徴です。純血種としての価値が高く、人気があります。AKC(※)で認められている単色は、以下のとおりです。
- クリーム
- フォーン
- ブラック
- チョコレート
- ホワイト
- レッド
- ブルー
シルバーやゴールド、セーブルなどの単色も存在します。単色のチワワでも、毛先や根元の色に微妙な違いがあります。同じ色でも個体によって濃淡が異なるため、自分の好みに合った色合いを見つけるのも楽しみの一つです。
※ AKC(アメリカンケネルクラブ)とは、全純粋犬種の犬籍管理などを統括している愛犬家団体のことです。
タン(模様の入ったもの)

タン(模様の入ったもの)は、チワワの毛色パターンの中で人気のある毛色になります。体の主要な色に加え、顔や胸、足、尻尾の先端に模様が現れるのが特徴です。個体によって異なるパターンを持ち、遺伝によって決まります。代表的なタンの組み合わせは、以下のとおりです。
- ブラック&タン
- チョコレート&タン
- ブルー&タン
- フォーン&タン
- レッド&タン
タンの模様は、チワワの個性を引き立てます。同じ組み合わせでも模様の入り方が異なるため、気に入ったパターンを見つけましょう。
パーティーカラー
パーティーカラーは、2色以上の毛色が混ざる配色です。白色をベースに別の色が入るケースが多く、見た目の可愛らしさから人気があります。代表的な色の組み合わせは、白色と黒色や白色と茶色、白色とクリーム色です。パーティーカラーのチワワは、顔や背中、足に色が入るのが一般的です。
模様の入り方は個体によって異なるため、それぞれ違った魅力があります。毛色が性格や特性に影響することはありません。
トライカラー

トライカラーは、3色以上の毛色が混ざる珍しい配色のチワワです。白・黒・茶の組み合わせが多く、体の各部位で色が分かれるのが特徴です。胸や足、顔に白い毛が入るのが一般的ですが、配色や濃淡は個体によって異なります。トライカラーの毛色は、遺伝的に複雑です。
ブリーダーによって特別に扱われるケースも多く、希少性が高いため、価格が高い傾向にあります。色素が薄い部分は日焼けしやすいため、屋外では紫外線対策が必要です。成長とともに毛色が変わることもあり、子犬から成犬までの変化を楽しめます。
レアカラー(ブリンドル・イザベラ・マール)
レアカラーのチワワは、一般的な毛色とは異なる魅力があります。代表的な毛色は、ブリンドルとイザベラ、マールの3種類です。ブリンドルは体全体に縞模様が入り、野生動物のような印象を与えます。イザベラは薄い茶色や灰色がかかった毛色で、遺伝的に珍しい種類です。
マールは青みがかった灰色の毛色で、青い目を持つこともあります。レアカラーのチワワは、遺伝的に珍しいため、一般的なチワワよりも高価です。遺伝的な疾患を持つ可能性もあり、定期的な健康チェックが欠かせません。展示会やコンテストで注目されやすいですが、美しさを保つには丁寧なケアが大切です。
チワワのミックス犬の種類

チワワと他の犬種を掛け合わせたミックス犬には、以下の種類があります。
- チワックス(チワワ×ダックス)
- チワプー(チワワ×トイプードル)
- チワマル(チワワ×マルチーズ)
- チワポメ(チワワ×ポメラニアン)
- チワパグ(チワワ×パグ)
チワックス(チワワ×ダックス)
チワックスは、チワワとダックスフンドのミックス犬です。小型で飼いやすく、愛嬌のある見た目から人気があります。胴長短足で、体重は2.7~5.4kg程度です。立ち耳または垂れ耳が特徴で、毛色が豊富です。活発で遊び好きな反面、警戒心が強く番犬にも向いています。飼い主に対しては忠実です。
知能が高くしつけがしやすいため、初心者に向いています。胴長であるため、腰椎椎間板ヘルニアなど背中の問題に注意が必要です。小型犬特有の歯のトラブルにも注意しましょう。子どもや他のペットとも仲良くしやすい傾向があり、社会性に優れています。
チワプー(チワワ×トイプードル)

チワプーは、チワワとトイプードルのミックス犬です。知能が高く、愛情深い特徴があります。体重は2~5kg程度で、巻き毛や直毛があり、毛色も白・黒・茶・灰色など多様です。抜け毛が少なく、アレルギー体質の人も飼育しやすいと言えます。社交的で、子どもや高齢者とも仲良くできる犬種です。
膝蓋骨脱臼や歯のトラブルが起こりやすいため、注意してください。毛が伸びやすいため、定期的なグルーミングも欠かせません。
チワマル(チワワ×マルチーズ)
チワマルは、チワワとマルチーズのミックス犬です。小型で愛らしい外見で、賢く愛情深いため、家族向けのペットとして人気があります。体重は2~4kg程度で、毛色は白・クリーム・黒・茶色などです。被毛は長めで柔らかく、知能が高いため、しつけが容易です。活発で社交的な特徴もあります。
アレルギー反応が少ない犬種のため、アレルギー体質の人も飼育が可能です。目や膝関節にトラブルが起こりやすいため、注意しましょう。留守番も得意な犬種ですが、長時間の留守は避けてください。
チワポメ(チワワ×ポメラニアン)

チワポメは、チワワとポメラニアンのミックス犬です。両親の特徴をバランス良く受け継ぎます。体重は2~4kg程度で、毛色は親犬に依存します。被毛は中~長毛で、知能が高く、しつけが容易です。活発で遊び好きな反面、警戒心が強いため番犬に向いています。
飼い主に対する愛情が深く、家族との時間を大切にする人に最適です。寒さに弱いため、冬場は防寒対策が必要です。チワポメは、アレルギーを起こしやすい傾向があるため、食事には注意してください。
チワパグ(チワワ×パグ)
チワパグは、チワワとパグのミックス犬です。両親の特徴を受け継いでおり、ユニークな外見をしています。体重は3~10kg程度と幅広く、多くはパグのような平たい顔立ちです。耳は立ち耳か垂れ耳で、被毛は短毛、毛色はさまざまです。活発で愛情深く、社交的な性格を持ちます。
呼吸器系の問題や、アレルギー性皮膚炎のリスクがあるため注意が必要です。目やにが出やすく、炎症を起こしやすいので、こまめなチェックも欠かせません。寒さや暑さに弱いため、環境にも配慮してください。
チワワの飼い方

チワワを飼う際に知っておくべき以下のポイントについて解説します。
- 飼う際のポイント
- しつけ方法
- 健康管理と注意点
飼う際のポイント
チワワを育てるためには、適切なケアが欠かせません。小型犬用のフードを体格に合った量で与え、食べ過ぎに注意してください。毎日の散歩だけでなく、室内遊びも含めて、適度な運動量を確保しましょう。さまざな人や環境に慣れさせ、基本的なしつけをします。小さい体を守るため、危険な場所や物は取り除きましょう。
小さな子どものいる環境でチワワを育てる際は、子どもが遊ぶおもちゃに注意してください。小さなおもちゃでも誤飲すると、窒息や腸閉塞のリスクがあります。子どもがおもちゃで遊ぶ場所には、チワワが入れないようにするなどの対応策を考えましょう。
しつけ方法

チワワをしつけるには、一貫性のある指示を出す必要があります。「お座り」「待て」などの短い言葉で指示しましょう。トイレトレーニングは、決まった場所でできるように早めに教えます。他の犬や人と触れ合えば、社交的な性格を身に付けられます。噛み癖がある場合は、おもちゃを使用して噛んでもいい物を教えてください。
散歩は犬にリードを引っ張られないように訓練が必要です。飼い主が不在でも落ち着いて過ごせるように、留守番トレーニングもしましょう。最初は短時間から始めて、徐々に時間を伸ばして慣れさせます。良い行動をしたら、褒めたりおやつをあげたりすると効果的です。不適切な行動に対しては、無視してください。
健康管理と注意点
健康診断や予防接種を受けさせ、病気の早期発見や予防に努めましょう。歯磨きや歯石除去など、歯の健康管理も重要です。小分けに食事を与えたり、おやつを適切に与えたりすると、低血糖を予防できます。周囲の音が大きいとストレスが溜まるため、静かな環境を作り、安心して過ごせるようにしてください。
寒さや暑さから身を守れる快適な環境も必要です。高齢期には、関節痛予防や認知症予防にも気を配る必要があります。肥満は健康に悪影響を及ぼします。体重管理を徹底し、心臓病やアレルギーに注意してください。爪切りや目・耳のケアも忘れず行いましょう。
まとめ

チワワは種類が豊富で、多くの人から愛される犬種です。被毛や毛色、体型によってさまざまなタイプがいるため、自分の好みや生活スタイルに合う種類を選べます。チワワを飼う際は、しつけや健康管理が欠かせません。小型犬ならではの注意点もあるため、飼う前に知識を身に付けましょう。
ミックス犬も人気があり、それぞれの個性を楽しめます。チワワの特徴を理解し正しく育て、愛犬との楽しい時間を過ごしてください。